聖下 エスクリバー

いつの日か、決戦を。そして決着を。

聖線を抜けた直後
私たちの懇願に返答はない 奇蹟は私たちを見捨てたのだ
華麗な装飾が施された私の玉座は 反転しその背を見せている


三試練の橋の銅扉を抜けた直後
私の血は黒い樹液へと変わり 年老いた皮膚は赤い樹皮へと変わっていく


クレセンテの彫仮面を入手後、隣の部屋に入る直後
奇蹟が私を生まれ変わらせた この乾いた樹
私はその頂上から すべてをこの目で見ている


オレステスの歪仮面を入手後、隣の部屋に入る直後
私は完全に燃やし尽くされ
体から発される煙はすべてを覆い隠す霧となった


ドルフォスの鏡仮面を入手後、隣の部屋に入る直後
かつての揺籃 銀の灰から起き上がる時が来た 奇蹟が私を呼んでいる


第一段階
夢の中で 近づいてくるそなたの足音を聞いた
夢の中で私はそなたに話しかけ 挨拶をしようと試みた

奇蹟の守護者にして 奇蹟の旗印の守護者
大いなる苦痛を授かりしこの私は 父なる神の紋章を携える者である

私は血濡れの皮膚の御手にして 我らが母なる神の目である

だがその冷たい 名もなき貌以外 そなたのことは知らない

傷だらけのその硬くなった両手 そなたの死の哀悼以外……

いいや そなたのことを知るのは 奇蹟のみ

罪を抱えしそなたの剣 黄金に輝く私の剣を ぶつけ合おうではないか

お互いを傷付けあい 歩ませるのだ

そなたの名を 私は永遠に呪おう

そなたの死を 私は永遠に祝福しよう


第二段階前
そなたは 私の眠る姿が映された鏡を粉々に砕いた

真なる奇蹟の御子として 私はここに目を覚まそう


夢の向こう岸にて
夢のこちら側で 深紅の私とそなたは こうして再び相まみえた

奇蹟によって私は 聖なる地の守り手となった
これは私に与えられた新たな使命なのだ

そなたはこの地で 我らの傷を癒す灰色の光のない
どこまでも地平線の続くこの地で 何を探しているというのだ?

ありとあらゆる道は終わりを迎えた
そしてそなたの贖罪もまた 終わりを迎えたのだ

さあ この身と同じように そなたの身も 血に染めてやろう

そなたは誰にも見届けられないまま
この地で永遠の休息につくのだ


夢の向こう岸にて戦闘開始時
全知全能の奇蹟の意志を忌避する意味など ありはしない


夢の向こう岸にて戦闘中、エスクリバーにダメージを与えている最中
血を流すのだ それこそが我らを
真の神聖さへと引き上げる 唯一のものなのだから


夢の向こう岸にてエスクリバー戦終了直前
内臓から感じる この冷たさは一体何なのだ?
これが魂の 精神の 存在の死なのか?


夢の向こう岸にて戦闘終了、真紅の守護者エスクリバー最期の言葉
私の最後の責務は 終わりを迎えた

私はこれから 私を愛してくれたすべての者達と共に往こう

この雲の地に 灰と眩い光に包まれた空間に 私は身を沈めよう



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